
1台のスマートフォンに、2種類のSIMカードを挿入できるタイプの機種を、デュアルSIM対応のスマートフォンと言います。
携帯電話会社で、音声通話付きのプランを2回線契約すれば、通常、SIMカードは2枚になりますが、
デュアルSIM対応のスマホなら、SIMカードが2枚挿せるので、1台のスマホで、電話番号を2つ使うことが出来ます。
さらには…
…というような使い方も可能です。
このように…
と、使っていく上で、いろいろとメリットの多いデュアルSIMのスマートフォンですが、一方では、デメリットもあります。
この記事では、デュアルSIMスマホを買う前に知っておきたいメリット、デメリットをまとめました。
最後には、デュアルSIMスマホの人気機種も紹介しているので、購入を考えている方は、参考にしてみて下さいね。
デュアルSIMのスマートフォンには、SIMが2枚入るものの、2枚同時に使うことは出来ず、その都度、SIMを切り替えて使うタイプもあります。
このタイプは、音声SIMを2枚装着しても、1つの電話番号しか有効に出来ないので、DSSS(デュアルシム シングルスタンバイ)と呼ばれています。
これに対して、3G通信と4G通信を同時に待ち受けが出来るタイプが、DSDS(デュアルシム デュアルスタンバイ)で、
2枚のSIMとも、4G通信で同時に待ち受けが出来るタイプが、DSDV(デュアルシム デュアルボルテ)です。
以下にピックアップしたメリットは、主には、現在、主流になりつつある「DSDS方式」や「DSDV方式」のスマホのメリットになります。
この記事の最初の方でも紹介しましたが、デュアルSIM対応のスマホなら、1台で電話番号を2つ使うことが出来ます。
スマホ1台で2つの電話番号が使えるので、仕事用とプライベート用で、電話番号を分けたとしても、スマホの2台持ちで、ごちゃつくことがありません。
デュアルSIM対応のスマホと使っていて「本当に良かった」と思うのは、実は、通信障害が起こった時です。
例えば、1回線目にドコモ回線、2回線目にau回線を選んでおけば、どちらかの回線に障害があった時でも、もう一方の回線で、ネットに繋いだり、電話したりすることが出来ます。
想像してもらえばわかりますが、連絡したい時に出来なかったり、ネットを見たい時に見れなかったりするのは、非常にストレスが溜まります。
なので、デュアルSIMのスマホで、2種類の違う会社の回線を契約しておけば、非常時のバックアップ回線になる、というわけです。
ツインアプリは、1台のスマートフォンで、同じアプリが2つ使える機能です。
ツインアプリ、デュアルアプリ、アプリクローンなど、メーカーにより機能の呼び方は、いろいろですが、主に、海外メーカー製のスマホの一部に搭載されています。
ツインアプリに対応しているデュアルSIMスマホだと、LINE、Instagram、Facebookなど、通常は、1台で1つしか使えないSNSアプリが、1台で2つ使えます。
SNSアプリの新規登録では、電話番号を入力したりしますが、デュアルSIMスマホなら、電話番号が2つ使えるので、SNSアプリも、それぞれの電話番号で登録できるというわけです。
具体的には、例えば、デュアルアプリに対応してる「Xiaomi Redmi 9T」で、
LINEのアプリを2つ使いたい場合には、
設定のアプリメニューから、デュアルアプリの管理メニューに入っていき、LINEのスイッチをオンにします。
すると、ホーム画面にLINEアプリが複製され、LINEアプリが2つになります。
このように、ツインアプリ(デュアルアプリ)機能では、アプリを2つインストールするのではなくて、アプリを複製することにより、2つ使えるようになります。
複製されたアプリには、黄色いアイコンマークが付きます。
複製されたLINEには、2つ目の電話番号でアカウントを作ってログインすれば、例えば、仕事用のLINEと、プライベート用のLINEで、アカウントを分けることも可能です。
今のところ、iPhone では、ツインアプリに対応している機種はありませんが、iPhoneで、2つのLINEを使う場合については、以下の記事でまとめてありますので、気になる方は、そちらをご覧下さい。
日本国内で発行されたSIMの国際ローミングを使って、海外でスマホを使う時には、思っていたよりも、費用が高額になる場合があります。
そんな時、デュアルSIMスマホなら、日本国内でメインで使っているSIMカードはそのままに、サブのSIMカードを、現地で、海外旅行者向けに販売されているプリペイドSIMカードに差し替えることが出来ます。
周波数が対応しているかどうかは確認する必要がありますが、スマホは1台のまま、現地のSIMが使えるので、料金を安くおさえることが出来ます。
デュアルSIM対応のスマホは、SIMカードが2枚入る機種のほかに、1枚は、物理的なSIMカード、もう1つは「eSIM」を搭載している機種もあります。
「eSIM」は、スマホ本体内蔵型のSIMで、契約者情報などが入ったプロファイルを書き込んで使います。
プロファイルは、契約会社から、QRコードなどで、ダウンロードして書き込めるので、すぐに使い始めることが出来ます。
例えば、Apple の iPhone シリーズでは、iPhone XS 以降、物理カードの「nano SIM」に加えて「eSIM」を搭載しています。
iPhone13シリーズ、iPhone14シリーズ、iPhone15シリーズでは、eSIMに2回線分の契約情報を保存して、eSIMだけでもデュアルSIM運用できる「デュアルeSIM」に対応しています。
また、「IIJmio」などの格安SIMでは、「eSIM」向けにデータ通信専用プランを、お得な料金で提供していたりもするので、そういったプランを活用すれば、月々の運用コストを、かなり低くおさえることも出来ます。
デュアルSIMのスマホで、組み合わせる料金プランについては、別記事にまとめてありますので、どのプランがいいか検討中の方は、以下をの記事をご参照下さい。
デュアルSIM対応のスマートフォンは、SIMが2つ使えて便利なのですが、その分、設定や管理が複雑になります。
電話をどちらのSIMで発信するかを設定したり、モバイルデータ通信は、どちらのSIMを優先するかを設定したり、
SIMが2枚ある分、設定箇所が多くなり、その分、ややこしくなる、というわけですね。
そのほかのデメリットについても、SIMが2つあることにより生じるものが多くなっています。
「DSDS方式」や「DSDV方式」のスマホは、2回線の同時待ち受けが出来るので、SIMが1枚のスマホより、バッテリーの減りが早く、充電頻度が多くなります。
なので、デュアルSIMスマホの購入前には、バッテリー容量を確認しておくのがおすすめです。
デュアルSIM対応のスマホで、人気の機種は、バッテリー容量が4000mAhを超えるものが多くなっています。
ただし、24時間、SIM2枚で、2回線同時待ち受けにする必要がなければ、あまり需要じゃない方のSIMの回線をオフにしておくことで、バッテリー消費を抑えることは出来ます。
この辺りは、それぞれの人のスマホの使い方によって変わってくる部分です。
もしも、デュアルSIMスマホを、実際に使い始めてみて、日中、バッテリーが途中で無くなって困ることがあるようでしたら、モバイルバッテリーを持ち歩く体制を検討してみてもいいかもしれません。
SIMフリーのスマホや、SIMロック解除したスマホであれば、基本的には、どの回線のSIMカードでも使えます。
ただし、各キャリアには、総務省により、それぞれ使える周波数(バンド)が割り当てられています。
例えば、4G通信に割り当てられている周波数は、以下の表のようになっています。
周波数帯 | 700MHz | 800MHz | 800MHz | 900MHz | 1.5GHz | 1.5GHz | 1.7GHz | 2.1GHz | 3.5GHz |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
バンド | 28 | 18/26 | 19/26 | 8 | 11 | 21 | 3 | 1 | 42 |
ドコモ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
au | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
SoftBank | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
楽天 | ○ |
※表がはみ出ている場合は、横にスクロール出来ます
上記は、4Gのみですが、3G、5Gにも、各キャリアに割り当てられている周波数があります。
そして、デュアルSIMのスマートフォンも、それぞれの機種により対応している周波数があります。
そのため、周波数を何も気にしないで、デュアルSIMのスマホを買ってしまうと、使いたい回線の周波数に対応していなくて、上手く繋がらなかった…ということも起こりえます。
スマホが対応している周波数は、その製品のスペック表を見れば、記載されているので、使いたい回線の周波数に対応しているかどうか、事前にチェックしておくのがおすすめです。
「DSDS方式」や「DSDV方式」のデュアルSIMスマホは、2枚のSIMで、2回線同時待ち受けは出来るものの、通話をしながらネットを見たりすることは出来ません。
スマホの2台持ちなら、1台のスマホで通話をしながら、もう1台のスマホで、ネットを見ることも可能なので、この部分は、デュアルSIMスマホのデメリットになります。
なお、同じデュアルSIMのスマホでも、DSDA(デュアルシム デュアルアクティブ)に対応しているスマホなら、通話をしながら、ネットを見ることも可能です。
ただし、「DSDA方式」のデュアルSIMスマホ、Huawei(ファーウェイ)の「P30」など、まだ、機種は少なめです。
デュアルSIM対応のスマートフォンは、日本製では、まだ、種類が少なめなものの、海外製では、1万円台の後半から買える端末も登場しています。
以下は、「価格.com」のスマートフォン人気ランキングで、デュアルSIM対応の機種だけに絞り込んだ場合の人気ランキングです。
過去30日間の順位の推移グラフもあるので、端末を選ぶ際の参考にどうぞ。
メーカーの公式サイトへのリンクや、「価格.com」の製品詳細ページへのリンクもあります。
順位更新日:2023/12/10
シャープのミドルレンジスマートフォン「AQUOS senseシリーズ」の8代目。「ブレない快適さと、止まらない進化」できたらいいな、を「ひそかに解決」が謳い文句になっています。前モデルと比べると、重さは1gしか増えていないのに、バッテリー容量は、430mAh増量され、総容量が5000mAhになっています。カメラは、ミドルレンジとしては珍しい「光学手ブレ補正」を搭載。ディスプレイも、リフレッシュレートが90Hz対応になり、前モデルよりも、スクロールがスムーズになっています。nanoSIM に加え eSIM 搭載で、DSDV方式のデュアルSIMに対応。ドコモ、au、UQモバイル、楽天モバイルで取り扱いがあるほか、シャープ公式通販からSIMフリーモデルも発売されます。
「Google 7」の下位モデルに位置づけられる「Google Pixel 7a」ですが、チップセットは「Google 7 Pro / Google 7」と同じ「Tensor G2」が搭載されています。「Tensor G2」が本領を発揮するのはカメラ機能。上位モデルと同じチップセットを「Google Pixel 7a」でも使えるようにしたことで、あまり見劣りのしない写真が撮れるようになっています。2023年5月11日発売。SIMフリー版が「Googleストア」で買えるほか、キャリアでは、Docomo、au、ソフトバンクで取り扱いがあります。
ハイエンドながらも、コンパクトサイズで持ちやすいのが魅力の「Xperia 5 」シリーズの2023年モデル。先代の「Xperia 5 IV」までは、トリプルカメラでしたが、「Xperia 5 V」では、広角と超広角のデュアルカメラで、望遠レンズは非搭載になっています。ただし、広角カメラで48mmのズームを行う場合には、有効画素数4800万画素をクロップし、1200万画素で記録するので、光学2倍相当までなら、画質劣化を抑えられる仕組み採用しています。nanoSIM と eSIM でデュアルSIMに対応。SIMフリー版のほか、キャリアでは、ドコモ、au、楽天モバイルで販売され、ソフトバンクでの取り扱いはありません。
2023年10月12日発売。前モデルより、少しだけコンパクトサイズになった「Pixel シリーズ」第8弾無印モデル。重さも、「Google Pixel 7」よりも「Google Pixel 8」の方が10グラム軽くなっています。SoCは、「Google Tensor G2」から「Google Tensor G3」へグレードアップし、これは、上位機種「Google Pixel 8 Pro」と同じチップセットです。カメラは、2眼構成で、メインカメラは「50メガピクセルの広角」と「12メガピクセルのウルトラワイド」の2つを搭載。ウルトラワイドは、マクロ撮影にも対応しています。前モデルでは、OSアップデートの保証が5年間でしたが、「Google Pixel 8シリーズ」では、OSアップデート、セキュリティアップデート、「Feature Drops」アップデートの保証が7年間になっています。
日本を含めワールドワイドで発売される「Xperia 5 IV」は、ミドルレンジモデル「Xperia 10 IV」の上位に位置づけられるハイエンドスマホ。「手の中に感動を。」のキャッチコピーどおり、手が小さい人でも、片手で楽に握れるくらいコンパクトサイズです。ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの4大キャリアで発売され、どのキャリアのモデルも、nanoSIM と eSIM でデュアルSIMに対応しています。
定番のブラックに加え、ピンク、イエロー、ブルー、グリーン、4色の優しいパステルカラーが用意された iPhone15シリーズの無印モデル。2023年9月22日(金)発売。前回まで、Proモデルにしか搭載されていなかったダイナミックアイランドが、無印モデルでも採用され、画面上部にあったノッチ部分は、楕円形のパンチホールになっています。内蔵ストレージは、128GB、256GB、512GBの3モデル。なお、iPhone15シリーズから、充電などに使う端子は「USB Type-C」が採用されています。
2023年6月22日発売!おサイフケータイや防水に対応し、日本向けにカスタマイズした設計が好評の「OPPO Reno A」シリーズの第5世代モデル。前作の「OPPO Reno7 A」から、大きな進化はありませんが、メモリが6GBから8GBに増え、動作性が向上しています。nanoSIM と eSIM で搭載で、DSDVに対応。前作の「OPPO Reno7 A」に引き続き、スピーカーはモノラルです。
約28分で100%まで充電できる急速充電機能「80W SUPERVOOC フラッシュチャージ」を搭載した「OPPO Reno 」シリーズ第10世代プロモデル。バッテリー自体も、4600mAhの大容量に加え、OPPO独自のバッテリーヘルスエンジン技術で、4年間の長持ち仕様になっています。nonoSIMカードが2枚挿入できるデュアルSIMカードスロット搭載。また、本体内部には、eSIMも搭載されているので、「nonoSIM + eSIM」でのデュアルSIM運用も可能です。2023年10月6日発売。
iPhone8 のTouch ID 搭載のホームボタンを引き継ぎ、コスパに優れた特徴を持つ「iPhone SE シリーズ」の第3世代。ストレージ容量は、第2世代と同じく、64GB、128GB、256GBの3つのモデルがあり、SIMフリー版が、Apple Store で発売されるほか、ドコモ、au、UQモバイル、ソフトバンク、ワイモバイル、楽天モバイルでも取り扱いがあります。なお、一括払いで購入する場合、発売当初は、Apple Store と 楽天モバイルが、一番安い価格設定になっています。
2023年5月には海外で発売されていたモトローラのミドルハイクラススマホ。日本版は、おサイフケータイや、マイナンバーカードへの対応ありで、2023年7月21日発売です。物理カードの nanoSIM に加え、eSIM 搭載でデュアルSIMに対応。モトローラ公式のオンラインストアで買えるほか、格安SIMのIIJmioでも取り扱いがあり、MNP限定でセールも実地されます。